ヘアカラーの髪を染める仕組み

ヘアカラーの髪を染める仕組み美容師が説明しましょう2024最新版

ヘアカラーの髪を染める仕組み美容師が説明しましょう2024最新版

ヘアカラーの髪を染める仕組み美容師が説明しましょう2024最新版

ヘアカラーが髪を染める仕組みは、カラー剤が髪の内部に働きかけて色を付けるというプロセスに基づいています。主に以下の手順で進みます。

1. キューティクルを開く

2. 天然色素の分解

3. 人工色素の発色

4. キューティクルが閉じる

ogiso
ogiso
順を追って説明します!

ヘアカラーが髪を染める仕組み 1. キューティクルを開く

髪の表面を覆うキューティクルは、普段は閉じていて髪を保護しています。しかし、カラー剤に含まれるアルカリ剤(主にアンモニア)がキューティクルを一時的に開くことで、染料や薬剤が髪の内部(コルテックス)に浸透しやすくなります。

ヘアカラーが髪を染める仕組み・キューティクルとは何か

キューティクルは髪の最外層を構成する、魚のウロコのように重なり合った透明な薄い層です。この層は髪の内部(コルテックスと呼ばれる部分)を保護する役割を果たしており、外部からの刺激や水分の蒸発を防ぎます。通常は閉じた状態で、健康な髪ではこの閉じた状態が強固で滑らかです。

ヘアカラーが髪を染める仕組み・キューティクルを開くプロセス

ヘアカラーでは、染料や薬剤を髪の内部に浸透させる必要があります。しかし、キューティクルが閉じたままだと内部に薬剤が届かないため、アルカリ剤(代表的なものはアンモニア)を使ってキューティクルを一時的に開きます。以下のように進みます:

  1. アルカリ剤の作用
    アルカリ剤は髪のpH値を上昇させ、通常弱酸性(pH4.5〜5.5)の髪をアルカリ性(pH9〜10)に傾けます。この化学的変化がキューティクルを開く働きをします。
  2. 髪の膨張
    pHが上がると髪の表面がわずかに膨らみ、キューティクルが開きやすくなります。この状態になると、カラー剤の成分(染料や酸化剤)がコルテックスに入り込むことが可能になります。
  3. 温度の影響
    カラー剤の効果を高めるために、施術中に加熱することがあります。温度を上げるとキューティクルがさらに柔らかくなり、開きやすくなります。

ヘアカラーが髪を染める仕組み・キューティクルを開く際のリスク

キューティクルが開いた状態が続くと、髪内部の水分や栄養分が流出しやすくなります。さらに、外部のダメージ(紫外線や摩擦)にも弱くなります。これが髪の乾燥やダメージの主な原因となるため、施術後のケアが重要です。

キューティクルを開くことはヘアカラーの基本的なプロセスですが、この操作が髪へのダメージにつながるため、髪質や薬剤選びが重要となります。

 

ヘアカラーが髪を染める仕組み 2. 天然色素の分解

髪にはメラニンという天然の色素があります。カラー剤に含まれる「酸化剤」(主に過酸化水素)がこのメラニンを分解し、髪の元々の色を明るくします。このプロセスは特に明るい色に染める際に重要で、髪をブリーチする際にも使われます。

ヘアカラーが髪を染める仕組み・髪の天然色素(メラニン)とは

髪の色は「メラニン」と呼ばれる色素によって決まります。メラニンには2種類あり、それぞれの割合で髪の色調が変わります。

  1. ユーメラニン:黒色や茶色の色素で、髪を暗くする働きがあります。
  2. フェオメラニン:黄色や赤色の色素で、明るい色調を生み出します。

ヘアカラーのプロセスでは、このメラニンを分解して髪のベースカラーを明るくする必要があります。これにより、人工の染料が発色しやすくなります。

ヘアカラーが髪を染める仕組み・天然色素を分解するプロセス

髪の天然色素を分解するのは、ヘアカラー剤に含まれる「酸化剤」の働きによるものです。この酸化剤の主成分は主に過酸化水素(H₂O₂)で、以下のように作用します。

  1. メラニンを酸化させる
    過酸化水素は髪の内部に浸透し、メラニンを分解することで髪の色を明るくします。この酸化反応はメラニン分子を細かく切り離し、色を薄く見せる効果があります。
    • 暗い髪色(黒や茶色)の場合、メラニン量が多いため、分解プロセスに時間がかかります。
    • 明るい髪色(薄茶や金髪)の場合、メラニン量が少ないため、分解が比較的早く進みます。
  2. 分解によるベースカラーの形成
    メラニンが分解されると髪が「赤みや黄みを帯びた明るい色」になります。この色は髪の明るさ(トーン)によって異なり、ブリーチによる明るいトーンでは黄色に近く、やや暗めの場合は赤みが残ることがあります。
  3. 酸化剤の濃度と時間
    過酸化水素の濃度や放置時間によって、メラニンの分解具合が変わります。濃度が高いほど、また放置時間が長いほど、メラニンがより多く分解されて髪が明るくなります。ただし、過度な使用は髪の構造にダメージを与える可能性があります。

ヘアカラーが髪を染める仕組み・天然色素を分解する際のリスク

  1. 髪内部の栄養分の喪失
    メラニンだけでなく、髪内部のタンパク質や脂質もダメージを受けやすくなり、髪が乾燥してパサつく原因となります。
  2. 髪の脆弱化
    メラニン分解時に髪内部の結合(ケラチン結合)が弱まるため、髪の強度が低下し、切れ毛や枝毛が発生しやすくなります。
  3. 残留する赤みや黄み
    特に日本人の髪はユーメラニンが多く、完全に分解しきれない場合、赤みが残ることがあります。このため、希望の色に近づけるには、カラー剤の調整やブリーチが必要になることもあります。

ヘアカラーが髪を染める仕組み・天然色素の分解まとめ

天然色素の分解は、髪を明るくして染料を定着させるために不可欠なプロセスですが、髪に負担がかかる工程でもあります。この工程を安全に行うためには、適切な薬剤の選択や放置時間の調整、施術後のケアが非常に重要です。

ヘアカラーが髪を染める仕組み 3. 人工色素の発色

分解された髪の内部にカラー剤の人工色素が入り込みます。これらの色素は、酸化反応により分子が大きくなり、髪の中に固定されます。この酸化反応を促すために、カラー剤は1剤(色素やアルカリ剤)と2剤(酸化剤)を混ぜて使います。髪の内部で人工色素が定着することで、希望の色が発色します。

ヘアカラーが髪を染める仕組み・人工色素(染料)の仕組み

ヘアカラーの人工色素は、髪に染料を浸透させて希望する色を発色させるための成分です。このプロセスは、染料が髪の内部(コルテックス)に入り、化学反応によって色素が発色し、定着することで成り立ちます。以下のような流れで進みます。

ヘアカラーが髪を染める仕組み・人工色素の発色プロセス

  1. 染料分子の浸透
    キューティクルが開かれ、髪の内部に隙間ができると、ヘアカラーの染料分子(色素)が髪の内部(コルテックス)に入り込みます。この染料分子はもともと小さく、髪の内部に容易に浸透するよう設計されています。
  2. 酸化反応による発色
    髪の内部に入った染料分子は、カラー剤に含まれる**酸化剤(過酸化水素)**によって酸化されます。この酸化反応により、染料分子が化学的に結合して大きな色素分子に変化します。これにより、人工色素は髪の中に留まり、色が発色します。
    • このとき、希望の色(赤系、青系、黄系など)に応じて染料成分が調整されています。
    • 酸化剤の濃度や時間の調整で発色の強さや仕上がりが変わります。
  3. 色素分子の定着
    大きくなった色素分子は、髪の内部から抜け出しにくくなります。このため、半永久的な染色が可能になります。ただし、シャンプーや紫外線の影響で色素が徐々に流出することがあります。

ヘアカラーが髪を染める仕組み・カラーリングの種類と染料の違い

人工色素の発色方法は、使用するヘアカラーの種類によって異なります。

  1. 永久染毛剤(アルカリカラー)
    酸化剤と染料を混ぜて使用するタイプで、髪の内部で色素が発色・定着します。一般的なヘアカラーに該当します。
  2. 半永久染毛剤(トナーやヘアマニキュア)
    酸化反応を伴わず、髪の表面や浅い部分に色素を付着させる方法です。髪を傷めにくいですが、持続性は短くなります。
  3. ブリーチ
    色素の発色はなく、天然色素(メラニン)を分解するだけで髪を明るくします。発色工程がないため、仕上げにトナーや別のカラー剤を使用することが多いです。

ヘアカラーが髪を染める仕組み・発色に影響を与える要因

  1. 髪の明るさ(トーン)
    髪が明るいほど、染料の発色がクリアで鮮やかになります。逆に暗い髪だと希望の色が十分に発色しない場合があります。
  2. 染料の種類と量
    使用するカラー剤の成分や色素の濃度により、発色の仕上がりが変わります。特に鮮やかな色(ブルーやピンクなど)は、ブリーチによるベース作りが重要です。
  3. 酸化反応の進み具合
    酸化剤の濃度や反応時間によって、発色が強くなるか、または弱くなるかが変わります。放置時間が短すぎると発色が不十分になり、長すぎると髪に負担をかける可能性があります。

ヘアカラーが髪を染める仕組み・人工色素発色のメリットとリスク

メリット

  • 髪の内側で色が定着するため、長期間色を維持できる。
  • 色の選択肢が幅広く、自由なカラーリングが可能。

リスク

  • 髪の内部まで作用するため、ダメージを与えやすい。
  • 色素分子の流出が進むと色落ちし、元の色が不安定になる。
  • 明るいベースカラー(ブリーチ後)ほど色素が定着しやすいが、髪の損傷が大きくなる。

ヘアカラーが髪を染める仕組み・人工色素の発色まとめ

人工色素の発色は、髪の内部での酸化反応により大きくなった色素分子が定着することで成立します。希望の色を美しく発色させるためには、髪の状態、ベースカラー、施術条件のバランスが重要です。また、髪への負担を軽減するためには、施術後の適切なケアも必要です。

 

ヘアカラーが髪を染める仕組み 4. キューティクルが閉じる

染色プロセスが終了すると、髪のキューティクルは再び閉じます。ただし、完全には元に戻らないため、ダメージを受けやすい状態になります。

この仕組みにより、髪の色を半永久的に変えることが可能になります。一方で、内部構造への影響が大きいため、ダメージケアが重要です。

ヘアカラーが髪を染める仕組み・キューティクルが閉じるメカニズム

ヘアカラー施術後、キューティクルは一時的に開いていますが、時間が経つにつれて自然に閉じます。キューティクルが閉じるプロセスは、次の要因によって促進されます。

  1. pHバランスの回復
    カラー剤に含まれるアルカリ成分(主にアンモニア)は髪のpH値を上昇させ、キューティクルを開かせます。施術後にpHが徐々に酸性に戻ると、キューティクルは再び閉じる性質を持っています。この回復を早めるために、アフターケアとして弱酸性のリンスやトリートメントを使用することが推奨されます。
  2. 冷却効果
    カラーリング後、冷水で髪をすすぐことでキューティクルが閉じやすくなります。冷水は髪表面の温度を下げ、キューティクルを引き締める作用があります。
  3. コンディショニング成分
    カラー後の専用トリートメントには、髪をコーティングして滑らかにし、キューティクルを整える成分が含まれています。これにより、キューティクルがしっかり閉じ、髪が外部ダメージから守られやすくなります。

ヘアカラーが髪を染める仕組み・キューティクルが完全には元に戻らない理由

キューティクルはヘアカラーやブリーチの際にダメージを受けやすく、一度損傷した部分は完全には元の状態に戻りません。以下が主な理由です:

  1. 物理的ダメージ
    カラーリング時の薬剤や施術中の摩擦によって、キューティクルが一部剥がれたり、裂け目ができることがあります。この場合、閉じる機能が部分的に失われます。
  2. 内部構造の影響
    髪内部のケラチン結合が損傷している場合、キューティクルの整合性も弱くなり、完全に閉じるのが難しくなります。
  3. 頻繁な施術による負担
    カラーリングやブリーチを繰り返すと、キューティクルが過剰に損傷し、回復力が低下します。

ヘアカラーが髪を染める仕組み・キューティクルが閉じることの重要性

キューティクルが閉じることで、髪は次のようなメリットを得られます:

  • 水分保持
    髪の内部の水分や栄養分が流出しにくくなり、しっとりした質感を保てます。
  • ダメージ保護
    キューティクルがしっかり閉じていると、外部からのダメージ(紫外線、熱、摩擦)を防ぐバリア機能が向上します。
  • 髪のツヤ向上
    キューティクルが整うと光を均一に反射するため、髪が滑らかでツヤのある見た目になります。

ヘアカラーが髪を染める仕組み・キューティクルを閉じるためのケア方法

  1. 酸性トリートメントを使用する
    弱酸性のトリートメントやリンスを使用することで、pHバランスを整え、キューティクルが閉じやすくなります。
  2. 熱を避ける
    高温のドライヤーやアイロンはキューティクルを損傷する可能性があるため、施術後は低温設定での使用が望ましいです。
  3. 冷水でのすすぎ
    最後に冷水で髪をすすぐことで、キューティクルが引き締まりやすくなります。
  4. ヘアオイルの使用
    ヘアオイルはキューティクルをコーティングし、閉じるプロセスをサポートします。

ヘアカラーが髪を染める仕組み・キューティクルを閉じるまとめ

キューティクルが閉じることで、髪の健康を保つバリア機能が回復します。しかし、施術後の状態では完全に戻りきらない場合も多いため、適切なケアを通じてダメージを最小限に抑えることが重要です。特にpH調整と保湿ケアがポイントとなります。

 

 

ヘアカラーの髪を染める仕組みまとめ

1. キューティクルを開く

髪の表面を覆うキューティクルは、普段は閉じていて髪を保護しています。しかし、カラー剤に含まれるアルカリ剤(主にアンモニア)がキューティクルを一時的に開くことで、染料や薬剤が髪の内部(コルテックス)に浸透しやすくなります。

2. 天然色素の分解

髪にはメラニンという天然の色素があります。カラー剤に含まれる「酸化剤」(主に過酸化水素)がこのメラニンを分解し、髪の元々の色を明るくします。このプロセスは特に明るい色に染める際に重要で、髪をブリーチする際にも使われます。

3. 人工色素の発色

分解された髪の内部にカラー剤の人工色素が入り込みます。これらの色素は、酸化反応により分子が大きくなり、髪の中に固定されます。この酸化反応を促すために、カラー剤は1剤(色素やアルカリ剤)と2剤(酸化剤)を混ぜて使います。髪の内部で人工色素が定着することで、希望の色が発色します。

4. キューティクルが閉じる

染色プロセスが終了すると、髪のキューティクルは再び閉じます。ただし、完全には元に戻らないため、ダメージを受けやすい状態になります。

  • この記事を書いた人

junjiogiso

小木曽 淳司
 
24hネット予約はこちらから 
新規予約はネット予約のみ受付しています。


ヘアカラーやヘアスタイル、ブログのお問い合わせはLINE@でお気軽に

友だち追加

 

美容師
サロンでのヘアカラーにこだわり 色味、薬剤、似合わせ、デザインカラー等

Guestの魅力を最大限に引き出せるヘアカラーを 日々提案させていただいています。

実際のカラー提案例をブログで公開しています。

1990年
岐阜市立理容・美容専門学校卒業
1991年
美容師国家筆記・実技試験合格
1991年
公益財団法人理容師美容師試験研修センター認定・美容師免許取得
2007年
公益財団法人理容師美容師試験研修センター認定・管理美容師資格取得

宮城県仙台市
HairSelect PASSION

おすすめ記事一覧

【モロッカンオイル】ヘアカラーのケアに最適なヘアオイル 1

モロッカンオイルって有名すぎて美容意識高い人なら誰でも知ってる?むしろ「モロッカンオイル、1度は使ったこともある」って人 ...

hair_oil 2

みんな大好きヘアオイル、使っていますか? 今回はそんなヘアオイルのことを色々深掘りしていきたいと思います。 ヘアオイルの ...

Shampoo that makes hair color last longer and prevents color fading 3

【色落ちしない・色落ちしにくい】ヘアカラー後のケアを美容師が解説 毎月ヘアカラーを施術させていただいている美容師が色落ち ...

moisturizing hair 4

髪の保湿に効果のある成分とヘアケア方法美容師が解説します 髪の保湿に効果のある成分とヘアケア方法 保湿に効果のある成分 ...

-ヘアカラーの髪を染める仕組み
-