シャンプーに使われる「高級アルコール系界面活性剤」のついて美容師が説明します。2024最新版
「高級アルコール系界面活性剤」は、シャンプーやボディソープなどの洗浄剤に使われる代表的な界面活性剤の一種で、主に以下の特徴と性質を持っています。
高級アルコール系界面活性剤とは
「高級アルコール系」という名前は「高級」という意味ではなく、炭素数が多い(通常12~18個程度)アルコールを元にした界面活性剤を指します。この構造が、油脂や皮脂を効率的に取り除く洗浄力を生み出します。具体的には、親油性(油と結合しやすい部分)と親水性(水と結合しやすい部分)を持つ分子構造により、水と油をなじませて汚れを洗い流します。
高級アルコール系界面活性剤・主な成分と化学構造
高級アルコール系界面活性剤には以下のような成分が含まれます:
- ラウリル硫酸ナトリウム(Sodium Lauryl Sulfate, SLS)
- ラウレス硫酸ナトリウム(Sodium Laureth Sulfate, SLES)
- ラウリル硫酸アンモニウム(Ammonium Lauryl Sulfate)
- ラウレス硫酸アンモニウム(Ammonium Laureth Sulfate)
これらの成分は、石油系の化合物や天然由来の植物油脂(ヤシ油、パーム油など)から合成されることが一般的です。
高級アルコール系界面活性剤・特徴と効果
- 高い洗浄力
油汚れや皮脂を効率よく分解するため、頭皮や髪の汚れをすっきりと落とせます。 - 豊かな泡立ち
泡立ちが良く、使用感が滑らかで多くの人に好まれます。 - 低コストで安定供給可能
合成が容易で、大量生産が可能なため、コストが抑えられる点が大きな特徴です。そのため、比較的手頃な価格帯のシャンプーに多く使用されています。
高級アルコール系界面活性剤・メリット
- 洗浄力が強く、特に脂性肌やスタイリング剤を多く使う人に適しています。
- 泡立ちが良いため、髪全体に簡単に広がりやすく、短時間で洗髪できます。
- コストパフォーマンスが高いので、多くの製品に採用されています。
高級アルコール系界面活性剤・デメリットと注意点
- 刺激性
高い洗浄力が裏目に出る場合もあり、敏感肌や乾燥肌の人にとっては刺激が強すぎることがあります。特に「ラウリル硫酸ナトリウム」は刺激性が強めです。 - 必要な油分の洗い落とし
髪や頭皮に必要な皮脂や油分まで落としてしまうことがあり、これが乾燥やフケ、かゆみの原因になる場合があります。 - 髪のキューティクルへの影響
過剰な洗浄力により、髪の表面が傷つきやすくなることがあります。髪がパサつきやすい人は、保湿成分配合のシャンプーや別の種類の界面活性剤を使用した製品を選ぶのがおすすめです。
高級アルコール系界面活性剤・対策と選び方
- 頭皮や髪が乾燥しやすい人、敏感肌の人は、「アミノ酸系界面活性剤」や「ベタイン系界面活性剤」を含む低刺激性シャンプーを選ぶと良いでしょう。
- 高級アルコール系界面活性剤を使ったシャンプーを使用する場合は、洗いすぎに注意し、髪と頭皮をしっかり保湿することが大切です。
まとめ
高級アルコール系界面活性剤・まとめ
高級アルコール系界面活性剤は、洗浄力と泡立ちの良さで広く普及していますが、その強い洗浄力ゆえに、使用者の髪質や頭皮の状態に合った選択が重要です。適切な製品を選び、正しいケアを心がけることで、髪と頭皮の健康を保つことができます。